うら・おもて
長所と短所って裏表なところがあります。例えば、せっかちと行動力がある。がんこと芯が強い。視野が狭いと集中力が高い。
長所を伸ばすのがいいのか、短所を治すのがいいのか、どちらがいいかというのはよく質問されることの一つです。年齢にもよりますが、基本長所を伸ばす方をを優先させるべきだと思っています。
まず短所ですが、どうされてますでしょうか。目につくことがある場合、目をつむるか、叱るか、注意するかでしょうか。ただ色々説明しながらでも解決に向かう可能性は低いですよね。ちょっと視点を変えてみたらいかがでしょうか。
短所は子供がそれをするのが苦手ということです。まず、意識の中でそういう思い込んでる場合があります。それを取り除いてあげることで、思ってたより難しくなかったとなることも多いです。
代表的なのが食べ物です。食わず嫌いという言葉がありますが、それのどこが嫌いなのかを探ってみるのも一つの手です。色なのか、臭いなのか、大きさ、甘い、辛い、苦い、べちゃっとして気持ち悪い。実はその中の1つだけとか結構あるんですよ。それならそれが気にならない調理法を試してみましょう。
本当に苦手ということもあるでしょう。そんなこともあります。全部好きだったり得意なんて無理ですよね。とりあえず保留というのもありではないでしょうか。
のばす
それでは長所はどうでしょう。先ほどと逆で、得意だからというのも多いでしょう。サッカー、野球、泳ぎ、走り、絵画、ダンス、音楽、好きだから練習もするでしょうし、上手くなればもっとできることも増えるし、もっと面白くなっていきます。
ただこの分野は、どこまでやるかどこまで続けるかという問題が、いつかやってきます。物理的、能力的、金銭的、年齢的色々な分岐点がやってくるでしょう。その時は子供と話し合っていけばいいと思います。ただ例えばプロを目指すとかそういうレベルの話が現実かそうでないかの判断は親がしっかり見極めてあげないとだめです。別にそこまでと言うなら趣味でも全然続ければいいのですから、、、
中には勉強が得意という子もいます。計算が早い、字が綺麗、漢字を知ってる、本を読む、それはもう手放しに喜んで褒めてあげればいいと思います。
長所を伸ばすにはどうすればいいでしょうか?まず一番に考えつくのが褒めるということですよね。実際うまくできていたり、結果が出ているので、こちらにとっても分かりやすいというか、褒めやすいと思います。大げさでも構わないと思います。褒められて嫌な気持ちになる子供なんていません。
気分が良くなってさらに努力をし練習をするでしょう。するともっと伸びていきます。この段階になってくるとちょっと注意する点が出てきます。いつまでもただ褒めるだけではダメになってきます。
子供の方でも 「こんなのできて当たり前やのに、褒められても嬉しくない」 となってきます。ここまでくれば内面的にもかなり成長しているので、こちらも少し作戦を変えていきましょう。褒めるのは続けるのですが、具体的なところを褒めることを心がけていきましょう。
例えば 「よく全体を見ていいパスを出していたな」 「この算数の問題を、ここで引っかからずによく正解したな」 「しんどいところで笑顔を絶やさず最後まで踊れたね」 「音符を拾うだけじゃなくて気持ちがこもってきたのがママには分かったよ」
つまり 「私たちはあなたが頑張ってる姿をちゃんと見ているからね」 というメッセージを伝えることなのです。ある意味一番の応援団なので物理的にも精神的にもフォローしていきましょう。
褒め方
そしていずれ停滞期がやってきます。これは一流の人でも同じで、必ず壁に当たります。それはレベルが高いとか低いとか関係なくやってきます。もちろん本人が自分で解決できるば、それに越したことはありませんが、放っておくと挫折してそのまま、ということになりかねないので、親の助けが必要になってくるでしょう。
ここで気をつけないといけないのが子供は弱気になっているということです。 「このまま続けてもどうせこれ以上上手くならへんやろな」 という気持ちが心の大半を占めています。ですから誘導の仕方を間違うとそちらの方に流されやすいですし、あまり考慮に入れないと 「私の気持ちなんか何もわかってくれへん」 となっちゃいます。
こういう時の解決方法して、問題を書き出してみるというのがあります。子供がうまくできなければ、親が聞いて文字にしてあげてもいいでしょう。何が問題なのか、技術なのか、心なのか、環境なのか、他にもあるのか、それをとにかく吐き出させてあげることが大事なんです。そして、その1つ1つについて話し合っていきます。できるできない無理とか頑張ればとか5段階評価をつけてみるといいと思います。
ここまでやると、大体その子も全部が全部、嫌と思ってるわけではないことが理解できると思うので、そうなれば改善策も話し合えるのではないのでしょうか。例えば 「1を2にするためにはどうしたらいいと思う」 「5があるから2のところはそんなに気にしなくてもいいんじゃない」 「そもそもそんなに悪くないよね」
これで少しモチベーションが回復すれば、すかさず期限をつけてあげてください。 「そんじゃあ、あと3ヶ月頑張ってみれば」 この言葉に子供は救われるはずです。子供も心の中では 「ちょっとかっこ悪いことしたな」 って思っています。だからここで助け舟を出してあげれば案外すんなり 「じゃあもうちょっと頑張ってみようかな」 ってなるケースも多いんですよ。
最後に
ただ全てがこんなにうまくいく場合ばかりではありません。いろんな状態が重なって諦めるという選択をしなくてはいけない時もあるでしょう。しかし親自身もそうですが子供にも、 「○○だけが全てではない」 ということを分かっていただきたいと思います。なかなかその時はこういう気持ちになるのは難しいかもしれないですが…
また次を探せばいいじゃないですか。そこまで頑張った子ですから、次の目標が見つかればまたそれに向かって走り出せます。
災い転じて福となす、という言葉があります。災いがあってもそれを契機として良い状態に転じるという意味です。
後から振り返ってみると、こんなことって結構あると思いませんか。こういうのって親の方が落ち込んだりしてしまいますので、子供の前では見せないようにしましょう子供が余計にショックを受けますよ。
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ぷろふぃーる 個人塾をやり始めてもう十数年。自らの子育ての経験と、毎日の塾での子供たちや親御さんとのやり取りの中で、考えていることや感じていることを綴っています。あくまで個人の意見ではあります。しかし、頑張っておられるお父さんやお母さんに少しでもお役に立てればと思っております。
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