素直って

虚心坦懐

素直に聞ける、素直に見ることができる、素直に考えられる。実は簡単そうにみえて意外と難しいです。

虚心坦懐、という言葉があります。なにごとにもこだわらず、素直な心でものごとに対する、という意味です。この言葉が、正にぴったりです。

素直な心って、なかなか耳が痛い言葉ではあります。自分も日頃果たしてどこまでできているかなと、考えさせられてしまいます。ただ、どんな物事に対してもとりあえず最初は、なるべく偏見を持たないようには心がけたいですね。

聞く・見る・考える

ここでは、3つのことについて考えたいと思います。素直に聞くことができる。素直に見ることができる。素直に考えることができる。これを、子供たちに是非マスターして欲しいと考えています。

1 素直に聞くことができる。 まず人の話を先入観を持たずにちゃんと聞けるかどうか?自分が知らないことや分からないこと、初めて聞くことやプロの言うこと、面白いとか、面白くないとか、自分には一見関係ないようなことでも。もちろん、子供に伝える時は言葉であり、伝え方など、気を付けないといけないこと多いですが。

ただ気を付けていただきたいのは、大人でも結構できていない人が多いことです。親ができないことは、子供はできるようにはなりません。なかなかハードルが高いことは分かりますが、少なくとも子供の前では気を付けたいですね。

色々言いたいことは置いといて、取り敢えず耳を傾けることが大事です。最後まで聞く前にあれこれ言ったり、あれこれ否定するのではなく、まずは聞いてみようという姿勢を、いつも大事にできるかどうかです。

2 素直に見ることができるか。 まず、書いてあることであり、物事を、そのまま見ることが大切です。見たときに、変な感情を入れてしまうと、おかしな方に進んでしまいます。

例えば、 「あっこれ苦手かも」 と思ってしまうと本当は違うかもしれないのに、気持ちはそっちに傾いちゃいますよね。先入観を持たないようにするって、簡単ではないけど様々な場面で必要になってきます。

特に子供に必要なのが、問題を素直に見られるか、読めるかです。文章題を、書いてある通りに式に落としていくわけですが、この時、苦手な子程勝手に解釈を変えてしまい間違った式をたててしまいます。

私がよく言うのは「できる子はいつもシンプルに問題を見ているんだよ。書いてあることをそのまんま」 ってこと。素直に考えれば簡単なのに、考えすぎて自分で難しくしてしまっていることが多いように思います。

3 素直に考えることができるか。 まずは基本的なやり方で考えてみて、それができるようになれば、別の応用的な考え方をしてみること。最初は順番を守って物事を進めていくことを学んでほしいです。

まずは、教えられた通りに解いてみようって言います。 「学校の先生と、塾の先生と、パパとママと、もしかしたら教え方は違うかも知れないけど、その中で一つ、自分が気に入ったやり方でできるようにしたらいい」 って言ってあげます。

そして、たまにいる初めからひねくれた考え方をする子には、冷静に対処して「ふーん、でもこっちのやり方の方がシンプルだよね。簡単なのと、難しいのとどっちがいいのかな?」と、導きます。

自分自身の中

つまりここで言いたい ”素直” というのは、自分自身の中での、という意味で捉えていただきたいのです。物事を素直に、言い換えると簡単(シンプル)に捉えることが、非常に重要になってくるわけです。

特に、大人になればなるほど難しくなってきます。自分の世界が固まってくると、なかなか人の話が聞けないというか、聞く耳をもたないというか。こうなってしまうと、 ”素直” にって言われても、となりますね。本当は大人にこそ大切なのかもしれませんが、致し方ありません。

だから、こんな風にややこしくなる前に ”素直” に対処できるようになっとかないとだめなのです。特にまだ凝り固まってない、子供のうちが最適なのです。

人の言葉であれ情報であれ、まずは素直に聞き入れてみる。そこに、いろいろなバイアス(先入観や偏見)はかけないようにする。その上で今度は自分の頭でとことん考えてみる。この順番がしっかり守ることができるようになることが、問題解決の早道になるわけです。

これが習得できると、つまり人の話がとりあえず素直に聞けるようになると、自分自身にも素直になることができるようになります。すると、自分のことが客観的に見られるようになり、更に違った視点から物事をとらえることができます。どんどん良い習慣が出来上がっていくのが想像できるのではないでしょうか?

最後に

実は ”素直” になる事の一番の利点がここなのです。自分自身の事って分かっているようで分かっていないのが人間ではありませんか?大人でも、いや大人だからこそできないのかもしれません。

ですから、子供のうちになのです。まだ、変な癖がついていないからこそ、習得するのもハードルが低い訳です。まだまだ間に合うはずです。

”素直” になる。よく聞く言葉ではありますが、改めて考えてみると、非常に興味深い意味が隠されているとは思いませんか?自分に素直になる事ができるようになると、こんなに自分にとってプラスになる事が分かります。

子供にも是非教えてあげたいと思いませんか。そして習得させてあげませんか。

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ぷろふぃーる 
 個人塾をやり始めてもう十数年。自らの子育ての経験と、毎日の塾での子供たちや親御さんとのやり取りの中で、考えていることや感じていることを綴っています。あくまで個人の意見ではあります。しかし、頑張っておられるお父さんやお母さんに少しでもお役に立てればと思っております。

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