早すぎた発展
スマホって今のところ今世紀一番の発明品かもしれません。しかもこんなにも速いスピードで世の中に広まっていくとは驚きです。
ただあまりにも急速に広まりすぎたため、ルールとか、法律とか、スマホに対する考え方とか、スマホとの距離感とか、いろんなことがちゃんと整備される時間がなかったわけです。それゆえ、今になって色々な問題が出てきています。
ついこの前まで高校生だったのが、中学生、今は小学生もスマホを持つ時代に突入してきました。低年齢化とともに(ゲームの問題も絡んでくるでしょうが)視力の問題が出てきています。小学生の約3人に1人、中学生の約5人に3人は視力が1.0以下です。(令和元年 保健統計調査より)イヤホンをつけて音楽や動画を楽しむので、難聴も大問題になってきています。
これは子供だけではないのですが依存症の問題も深刻化しています。あと値段の問題もですどんどん高価格化しています。
ただ、ここまで普及してしまい、いろんなサービス機関も公共機関も、利用を促しているので、今更引き返すことは無理ですし、逆にもっと普及して生活の中に入り込んでくるでしょう。ということは腰を据えて、付き合い方を考えていかなければ、ならないでしょう。
今まで体験したことのないことなので、大人の私たちですら、はっきりとした正解を持ってる人はいないわけです。だから、この困難で正解の出てない問題に、立ち向かっていかなくてはならないのです。
馬鹿と鋏は使いよう
馬鹿と鋏は使いよう、という言葉があります。使う相手や物に合わせて、適切な方法を取ればちゃんと物事をうまく処理できる、という意味です。
私は包丁の話をよくします。包丁というのは美味しい料理を生み出すのに欠かせないものです。でも人を傷つけることもあります。道具は使い様なのです。
スマホもまさしくそうです。使いようによっては、こんなに便利なものはありません。ただその使い方は人によって様々で、本当に役に立つ使い方をしている人の方が、圧倒的に少ないのではないでしょうか。それはもちろん大人でも一緒のことです。
スマホを巡る事情を考えると、使うというより振り回されていると言った表現が、しっくりくるのではないでしょうか。本当は便利なはずの道具に、時間も奪われ、気持ちも奪われて、いったい何をやっているんでしょうって感じですね。
使い方
親がお金出してるんだから、使い方は親が決めればいいと思います。その代わり子供に言うのならば自分も使い方を考えてくださいね。子供に禁止、制限しておいて、親はその横でスマホ触り放題というのはなしにしましょう。それができなければ、子供に言う資格はありません。また子供が見ててもそんなの納得できないでしょうから。子供に不満の種を作るくらいなら、いっそやりたい放題にすればいいかもしれません。
よく相談を受けるのは、使用時間の問題でしょうか。世の中のプラットフォームたちは圧倒的強さと、頭脳を持ち世界を席巻しています。次から次へと新しくて、魅力的なものを作り出します。あの手この手を使って、私たちをネットの世界に引きずり込もうとしています。大人でも魅力なコンテンツが盛りだくさんになっているわけですから、子供にはもうたまらんでしょうな。
目の前に人参ぶら下げて食べるなって無理なことですよね。やっぱりここは根本的に人参を取りあげないと話になりません。それが目の前にあって、制限がなければ止まりませんよ。ルール作りと、ルールを守ることを、徹底させないといけないでしょう。
他所がどうとかではなく、自分のところは、と毅然とした態度で臨むことが大切です。子供は 「そんなことしたらハブられる」 「話について行かれへん」 「すぐ返事返さなあかん」 とか言ってくるけど、そもそもそんな関係しか築けてない方が悪いわけで、それぐらいで壊れる仲間なんていらないって、はっきり言ってやればいいんです。自分の部屋に持ち込まないとか、1日何時間とか、視聴制限かけるとか、ルールを作らないと際限はないでしょうね。
最後に
本当に一筋縄では行かない問題です。しかし、結局スマホがどうのこうのよりも、時間の使い方であったり最優先事項が何であるかなどを理解させることが、一番必要なのではないでしょうか。
確かにスマホには常習性も、依存性も、他の誘惑より強いかもしれません。ただそれは、程度の話であって形は変わってもやらないといけないことと、今我慢というかやってる場合ではないということを、判断できないようでは形が変わっても同じことの繰り返しです。
時代が変わり、流行が変わり、道具とか、方法が変わるだけで、昔から同じようなことは繰り返されてきたはずです。漫画、カラーテレビ、つっぱり、ディスコ、ファミコン、ゲームボーイ、たまごっち、ガングロ、出会い系サイト。大人が若者に対して嫌っていたものはずっとあったわけです。今の大人の人も、はまってたことがある人もいるでしょう。
ただ現在はどうですか?スマホの場合は一過性で片付けられることではないものかもしれません。しかし、大半の人が沼にはまっていって、そのまま抜けられないわけじゃないのです。
めくじら立てるばかりじゃ、子供は言うことを聞きません。簡単な問題ではないことをお互いがわかった上で、ちゃんと話し合うことが必要なのではないでしょうか。そのことによって自分も見つめ直すことが出てくるかもしれませんね。
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ぷろふぃーる 個人塾をやり始めてもう十数年。自らの子育ての経験と、毎日の塾での子供たちや親御さんとのやり取りの中で、考えていることや感じていることを綴っています。あくまで個人の意見ではあります。しかし、頑張っておられるお父さんやお母さんに少しでもお役に立てればと思っております。
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