YES・NO
質問って言うと、ちょっと堅苦しいかもしれないけど、人に何かを聞くって日常誰でもやってることだと思います。
「歯磨いた?」 「昨日しんどいって言ってたけど大丈夫?」 「何食べたい?」 「今日何時に帰ってくる?」 朝だけでもまだまだあるのに、1日だと結構な人数に聞いてますよね。
それでは、子供に何か聞く時に気をつけていることはありますか?
私が、塾で子供に何か聞くときにいつもしているのは、イエス、ノー、で答えられない質問です。例えば 「今日暑かった」 って聞くと、うんか、いいやの、どちらかでしょう。その代わり 「今日はどんな風に感じた?」 「暑かった」 「喉乾くやろうから何か持ってくの?」 「水筒」 「何入ってるの?」 「ポカリ」 「どんな水筒なん?」 「ポケモンの絵描いたやつ」 「何のポケモン?」 「ピカチュウ」 みたいな感じで話を広げていきます。
もちろん話好きな子と、おとなしい子ではノリも違うので一概には言えません。ただ質問の仕方を変えるだけで、子供から引き出せる言葉を増やすことと、子供にいろいろなことを考えさせることは、もっともっとできるはずです。
これを、子供が小さい時から気をつけてやってほしいです。5W1Hを使った質問をして、子供に考えさせて、答えを出させる癖をつけてあげてほしいです。
5W1H
「お外に行きたい」 「○○公園行こうか」 「うん」 「今日はカレーね」 「うん」 「暑いから帽子かぶりや」 「うん」
「お外に行きたい」 「どこの公園に行きたい?」 「えーと、スーパーの近くの公園」 「何して遊びたい?」 「うーん、砂場で遊ぶ」 「何か持っていく?」 「えーと、スコップとバケツ」 「帰りはスーパーでお買い物するけど何が食べたい?」 「うーん、カレーが食べたい」 「オッケー。今日は暑いかな寒いかな?」 「えーと、暑い。水筒持ってく」 「それじゃあ氷入れてお茶入れよっか」「わーい」
だいぶ違うと思いませんか。こうやって字にしてみるとよく分かりますよね。前者は先回りして答えを作ってますよね。逆に後者は、子供の意思も尊重してます。
この会話をすることがそんなに難しいことでしょうか?ここで手を抜いたら後々つけが回ってきます。この2人の子供の未来を考えたら差は歴然じゃないですか?これもそうなんですけど、面倒くさいと思うのか、楽しみながらやれるか、どうかです。
負うた子に教えられて浅瀬を渡る
負うた子にに教えられて浅瀬を渡る、という言葉があります。時には、自分よりも年下の者や未熟な者から教えられることがある、という意味です。
「そうきたか!」 「その答えは予想してなかった」 「えーこんなこと言うようになったんだ」 毎日大変な子育ての中で、一番心が和むのが、子供の成長を感じる時ではないでしょうか。何気ない会話の中で日頃の疲れを癒してもらえます。
質問の仕方によって、こうも答えであり、会話が変わってきます。誰もができることですが、誰もがやっているとは限りません。当たり前のことを、いいと思ったことを、当たり前のように、やるだけなのです。それができるかどうか、それを教えられるかどうかが、子供が将来そのことを身につけて大きくなるか、苦労するかの分かれ道だと感じています。
大人でもそうです。「いいことは分かっているんだけど、、、」 「悪いとは知ってるんだけど、、、」 「なかなか続かないんだよね」 言い訳は誰でもやってますし、全ては自分に返ってくるから、まあ仕方ないことです。
しかし我が子に対して行うことは、自分ではなく子供自身に降りかかってくるんですよ。全てのしつけであり教育は、子供が幼いうちに、できるだけ早く始めた方がいいに決まってますよね。大きくなってからだと、口答えしてくるからやりにくいですよ。
結局早いうちに始めて、ある程度までしておくと、子供はもちろん親も楽です。その代わり、子供が小さいと理解するのも時間がかかるので、その分根気がいるのは確かです。ただその分、だいぶお釣りが来るとは思いますけどね。毎日の生活の中で、ちょっとだけ心に余裕を持って、子供への質問を考えてみましょう。そしてそれを楽しみましょう。
あと、答えに対するスピードも要求していきたいです。代表例が外食の時のメニュー選びですか。もちろん、いろいろ考えながら選ぶのも楽しいです。こんなにたくさん種類がある、というのを勉強させるのもいい機会でしょう。
ただいつまでも決められないというのは困りものです。これも練習だと思います。頭の中に候補をいくつか選び出し、その中から最終的に決めていく。その作業を早くできるように、していくだけです。当然勉強に役立つ思考回路の一つです。
最後に
こうやって改めて考えてみると、小学校に上がる前、本格的に勉強が始まる前にやっておけることって、結構あったりすると思いませんか?しかも結構大事なことも多いのではないですか?今の世の中で一番求められている、考える力を鍛えるのは、何も大きくなってからではなく、小さい子供の頃からできるのではないでしょうか?
しかし、まだ自分一人では無理です。親の助けがないと、まだ考えるという回路が不完全ですから。親のその手助けの一つの道具が、質問ではないでしょうか。うまくいくかどうかは親次第ってところもありますけど、その時は、親自身も自分のスキルを磨く努力をしてください。それは誰のためでもない、あなたの子供の為なのですから。
[PR]
過去記事はこちら
ぷろふぃーる 個人塾をやり始めてもう十数年。自らの子育ての経験と、毎日の塾での子供たちや親御さんとのやり取りの中で、考えていることや感じていることを綴っています。あくまで個人の意見ではあります。しかし、頑張っておられるお父さんやお母さんに少しでもお役に立てればと思っております。
コメント