子供にとって、自分の親、または学校の先生以外で、日ごろから接する大人ってどんな人がいますか?
習い事の先生やコーチ、塾の先生、お医者さん、パン屋のおじちゃん、スーパーのおばちゃんとかかな。おじいちゃんおばあちゃんには、たまにしか会わないし、親戚のおじちゃんなんかもっと会わないし。だとすれば、ここでお聞きしたいのですが、この方々に専門以外のことを、子供はどれだけ教えてもらっているのでしょうか?
私達が子供の頃は、周りにもっとたくさんの大人達がいました。八百屋のおっちゃん、酒屋のおばちゃん、いつも公園のベンチに座っているおじいちゃん、いつも道端でしゃべっているおばちゃんたち、畑仕事しているおじいちゃん、名前は知らなくても顔は知ってる人達。向こうもこっちのことを知っている。そんなんでした。
そして 「おはよう」 「寒いから風邪ひきなや」 「前むいて歩かな、溝にはまるで」 「勉強してるか」 「昨日カレーやったろ」、、、、 どうでもいいことも多かったけど、挨拶や、しつけや、礼儀や、大切なことも、いっぱい教えてもらった記憶があります。他にも、人生のこととか。
たぶん子供の時は、うっとうしくて仕方なかったと思います。「またこのおっちゃん同じ話始まったわ」 「おばちゃんの子供の時の話されてもなぁ」 「戦後の話は分からへんなぁ」 そんときはいつも心の中で「早くこの話終われへんかなぁ」と、思ってました。
けれども、大人になった時、あの人達に教わった事、言われた事がだんだん解ってきました。何気ない会話の中に、人生を生きていくヒントが散りばめられていたんだなぁ。
牛に引かれて善光寺参り、という言葉があります。予想もしなかった事や人の勧めで、思いがけず良い方向に導かれることを意味します。
私が塾を始めようと思った時、一番最初に思いました。 「昔、そこらへんにいた近所の口うるさいおっちゃんを目指そう」と、、、今でも昔でも、いいこといいことはいいし、悪いことは悪いです。礼儀や挨拶が基本なのは間違いないでしょう。そこに今どきの問題を付け加えていけば、現代版オヤジ一丁できあがりかなと。
ただ、今の時代は何をするにしても昔とは違いやりにくいなぁって、感じることばかりです。知らない子供に声をかけるなんてとんでもない時代になりました。大人と会話することに慣れていない子が多いので、最初のとっかかりに苦労します。
だから、私はいつも勝手にしゃべってます。聞いていてもいなくても関係ないと思っています。たぶん何百何千と話をしているかもしれません。私は、その中の一つでも大人になった時思い出してくれれば、オッケーと思っています。
今はもう働いている我が娘が、最近になって言ってくれるようになりました。 「パパが、私が小さい時に言っていたことが解ってきた。ああ、このことを言ってたんだなぁって」 涙が出そうになるくらい嬉しかったことは、いうまでもありません。自分のやってきたことは、間違ってなかったんだぁと、改めて思います。
これからもまだまだ、みんなにとっては、耳が痛い話をどんどんしていこうと思っています。
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ぷろふぃーる 個人塾をやり始めてもう十数年。自らの子育ての経験と、毎日の塾での子供たちや親御さんとのやり取りの中で、考えていることや感じていることを綴っています。あくまで個人の意見ではあります。しかし、頑張っておられるお父さんやお母さんに少しでもお役に立てればと思っております。
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