取り組み方
勉強の目的って何なんでしょうか?何で勉強しないといけないの、とか今やってる勉強が将来役に立つの、とか必ず子供に聞かれる質問ですよね。さあどうやって答えるのがベストなのでしょうか?
なかなか奥が深い問題ですよね。私が用意している答えはつぎのとおりです。
勉強の中身というよりも、取り組み方であったり、それをどう処理するか学ぶこと、それを学生のうちに習得していくことが大切だということです。
つまり、目の前の国語や、算数や、英語が直接役に立つかどうかなんて誰にも分からないし大した問題でもないんだと。それよりも、この子供の時にやりたくないことを我慢してやり遂げる力をつけること。そんな中でも、成果を上げて達成感を味わう喜びを感じられる人になること。目の前に突き付けられた問題に真面目に取り組めるようなり、しっかり結果を出せるようになること。
これが、重要なんですね。基本的に子供に嘘はつきません。いつでもどんなことでも、理由を説明するように心がけています。私はこのことを目の前の子供たちに繰り返し繰り返し語っています。
嫌いだから、やりたくないから、自分には関係ないから、今だけの感情でこれから先の輝かしい未来の可能性を閉ざすのは、めちゃくちゃもったいないと思います。
大人になった時
大人になり本当に自分がやりたいことが見つかった時、勉強するという習慣がないと大変困ります。そんな人に私はたくさんお会いしてきました。40代50代の社長さんに多いですね。若い頃ヤンチャしてて学校やめて中途半端に生きてたけど、子供ができて一念発起して、必死に頑張って会社を興し、今では大成功しておられてても 「俺も若い時、もうちょっと真面目に勉強しとけばよかったなぁって、最近しみじみ思うねん」 と言われます。
何故かというと、若い時は周りの人間も自分と同じような生き方をしているので、やること話すことも似たようなことでしょう。つまりお酒を飲んで、ギャンブルや仕事の愚痴を話していればよかったのです。しかし、自分が成功するに従って付き合う人間も変わっていきます。取引先の社長、弁護士、税理士、銀行、役所。すると、お酒を飲むのも高級なところになり、話の内容も、経済、政治、お金、投資など、今までとはがらりと変わってしまいます。もちろん、頑張り屋の人なので勉強もするのですが、いかんせん勉強の仕方を学んでこなかったので、大変苦労しておられました。
それでは、具体的にどうしていけばいいのでしょうか?
私が思うに段階を踏んで教えて行くことが大事なのではないかと思います。例えば学校のテストで点を取るということが 「この子はこの単元のことがしっかり理解できているな」 「ちゃんと漢字が覚えられているな」 とかいう評価につながり、それに点数がつけられることになります。いい点を取れたらうれしい。褒められたら気分がいい。入り口はそれでいいのではないかと思います。毎日のモチベーションも(結局あまり先のことだとわからないから)次の小テストぐらいがちょうどいいのかもしれませんね
数学の計算や、漢字、歴史の年号、化学記号、正直そんなものごく一部の人間にしか将来関係がないのは大人なら誰でも分かってますよね。
重要なことは、与えられたことが、与えられた時間内に、どれだけのパフォーマンスができるか、ということを試されているんだ、ということが解ることです。それを、ちゃんと教えてあげることです。
大人になれば嫌なことをやることの方が圧倒的に多いですよね。例えば料理であり、仕事であり、洗濯であり、子供の送り迎えであり、掃除であり、でもやらなくてはいけないですね。それなりの成果を出さないと認めてもらえません。
これが日本の現実です。近い将来簡単には変わらないでしょう。才能があるなしに関わらず日本の制度の中で暮らすなら、受け入れないといけないこともあるのではないですか。
学問に王道なし
学問に王道なし、という言葉があります。学問には一足飛びに身に付く方法というものはなく、系統だてて積み重ねていくことによって成就できるものだ、という意味です。
本を読む、計算をする、文章を読む、自分の考えを文章にする、知識があるとかないとかいう以前の問題が、そこには山積みになっています。そもそも、目の前の問題を解決するためにどうしたらいいのか、と考えること自体ができないのです。それが、勉強をしてこなかった結果なのです。
学生の頃、それを毎日コツコツと練習していたのです。それが、実績、評価、信頼、そして収入に関わってくるのではないでしょうか。
こう考えると 「学歴がある」っていうことは、毎日毎日の、毎回毎回のテストを、何年も何年もさぼらず頑張ってきた、という証明書みたいなものですね。だから 「学歴がある」 人は、その面では信頼がおけることになるんですよね。
最後に
親が学生の時に勉強したかどうかは、そんなに関係ないと思います。子供に正直に伝えていけばいいのではないでしょうか?してきた人は、その経験と、それによって得たものを語ればいいでしょう。してこなかった人は、今の思いと、得られなかったものを語ってください。
「パパは、一生懸命勉強して大学に入って今の会社に入れて満足している」 「ママは勉強が嫌いだったから、サボってた。でも今は、もうちょっと頑張っておけばよかったなぁ、って思ってる」
何で勉強なんてしなくちゃいけないの?それに対する答えをちゃんと用意してますか?あなたの言葉でしっかりわかるように子供に伝えることはできますか?
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ぷろふぃーる 個人塾をやり始めてもう十数年。自らの子育ての経験と、毎日の塾での子供たちや親御さんとのやり取りの中で、考えていることや感じていることを綴っています。あくまで個人の意見ではあります。しかし、頑張っておられるお父さんやお母さんに少しでもお役に立てればと思っております。
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