自分の味方
自己肯定感って言葉をお聞きになったことがあると思います。自己肯定感とは、自分は大切な人間であり、生きている価値があり、他人にとって必要な人間である、という自分に対して肯定的に思う気持ちのことです。
簡単に言い換えると、他の人がどう言おうが、自分はいつでもどこまで行っても自分の味方でいいんだよ、ということです。
自己肯定感が低い人が社会にでると、自分には何もできないと思い、自分の価値を信用できないので、やる前から自分にはできないと諦めてしまうのです。これが、最近世の中で大きな問題の一つになっています。それ故、教育の現場では自己肯定感が高い子供を育てよう、みたいな流れが強くなっています。
最初に断っておきたいのですが、子供に自己肯定感が高い人間になって欲しいのであれば、親もそれを目指していただきたいと思います。なぜなら、目の前の人間が言っているのと違うことをやっていれば、子供は信用しないからです。確かに、今更そんなこと言われても、ではありますが、そこは一番大切な我が子の為にチャレンジしてみましょう。
自分を愛せる子供を育てる。簡単に言うとこういう事なのでしょうが、抽象的すぎてどうしたらいいのって感じですよね。それでは、具体的にはどうすればいいのでしょう。
大事なこと
- 人は人、自分は自分。 人と比べるのではなく、昨日の自分と比べることが大切です。常に自分との戦いであり、自分が満足することこそが大事だということを、学んでもらいたいです。
- 子供自身の決断を大切に。 子供が自分で決めたことに対して、最初から反対するのではなく、応援してあげましょう。初めのうちは上手くいかないこともあるでしょうが、それも勉強です。
- 結果ではなくプロセスを褒める。 いろんなことができる様になってくると、結果を褒められても納得しないようになってきます。 「できて当たり前やのに、なんで褒めるん?」 となります。 ですので、プロセスを褒める様にするのがお勧めです。 「しっかり練習してたね」 「難しい事に挑戦したな」 「お前の良さがでてたね」 こんな感じがいいですね。
- 失敗を○○のせいにしない。 失敗した原因を考えることも大事だが、どう修正するかかを考える方がもっと大事です。失敗を引きずるのではなく、すぐ切り替えて前を向くクセを付けることが重要になります。
- 世の中の素晴らしさを感じてもらう。 前向きに生きていく為には、向かう先が魅力的でなければだめですよね。まずは親がそれを示してあげましょう。現代の若者相手だと、これが一番難しいかもしれません。お金だけではない人生の素晴らしさを教えてあげてください。
- やればできる。 逆に言うと、やらないとできるようにはならないという事です。やる前から諦めていては、いつまでも前には進めません。そして、思い切って一歩踏み出してみれば案外簡単にできる事も多いということを実感させてあげましょう。
- チャレンジの大事さ。 挑戦→経験→達成→自信のサイクルをいかに作り出してあげるかに尽きます。その為にもチャレンジの数をこなすことも必要になってきます。達成の数が増えていけば、自身もドンドンついていくと思いませんか?
- 否定されるチャレンジはない。 もちろん危険が伴うことは大人の判断も必要でしょう。しかし何でも 「危ないから」 「無理だから」 「まだ早いから」 と決めつけていては、せっかくの可能性も閉ざしてしまうのではありませんか?
- NGワードを使わない。 「向いてない」 「才能がない」 「できるようにならない」 は絶対NGです。あと、他人に対して謙遜して 「この子は全然だめで、、」 「上の子はできるけど下の子は、、」 などもよくないですね。 「僕はダメな子なんや」 「私はできない子なんだ」 って、子供は心の中で考えています。
- 注意するときは明るく。 次につながる 「叱る」 ではなく 「注意と提案」 を意識しましょう。 「何で失敗したと思う?」 「次はどうすれば、上手くいくのかな?」 「もっといい方法はないかな?」 こうした方がいいよポイントは、一つずつ言うのが基本です。一度に何個もだと、子供は混乱して結局一つもできないこともあります。
知好楽
知好楽、という言葉があります。学ぶことにおいて、その知識を知っているということは、勉強を好きな人間には及ばない。勉強を好きな人間は、勉強を楽しんでいる人間には、及ばない、という意味です。
つまり、何かやるときは楽しんでやることが一番大事であり、そういう人が一番強いということです。こういう考え方ができる人は、自己肯定感が高い傾向にあります。ということは、何でも楽しんでやるクセをつけていければ、いい感じになっていけそうですよね。
興味があったり好きな事は問題ないかもしれませんが、いやな事、やりたくない事でもやらないといけない事に、何か楽しみを見つけようとする習慣ができればいいと思いませんか?
最後に
大人の方が、自己肯定感の低さを実感される方が多いと思います。日本人特有の謙虚さや固定概念が、大いに影響を与えていると思います。私はこの”日本人特有”は決して嫌いではありませんが、自己肯定感ということを考えると、難しくはなりますね。
いい物は残して新しい物は取り入れよう。どんな時代でも言われることですが、まさにそういうことではないでしょうか。
自己肯定感を高めて、何事も前向きに捉えて、自分をしっかり持ち、他人に惑わされず主体的に行動できる、いいことだらけの人間に育ってもらいましょう!
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ぷろふぃーる 個人塾をやり始めてもう十数年。自らの子育ての経験と、毎日の塾での子供たちや親御さんとのやり取りの中で、考えていることや感じていることを綴っています。あくまで個人の意見ではあります。しかし、頑張っておられるお父さんやお母さんに少しでもお役に立てればと思っております。
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