考えるって

人間は考える葦である

考えるって、みんなが思っている程当たり前の事では、なくなってきているのかもしれません。

思考停止とか、受け身とか、指示待ち人間とか、世間では問題になっています。共通している課題が、自分で考える力が不足しているということではないでしょうか?

人間って一日に約3万5千回も選択しているらしいです。「何食べよ?」 「どんな服着よ?」 「傘持ってく?」 「今日のテレビは?」 などなど、、、その都度本当は考えてるはずです。どうしようかって。物心ついたときからずっと、毎日毎日。そんなにみんな頑張ってるのに、何でおかしなことになるのでしょう。

人間は考える葦である、という言葉があります。人間は自然界では弱い生き物だが、考える力を持っているという意味です。人の思考の力の偉大さを示しています。

実際、子供も全く考えていないわけではないわけではないでしょう。ということは、考えるっていう言葉の意味が、理解されていないか、分かっていないのでしょう。ただ考えればいいってもんじゃありません。そこがなんだかなぁ、と常日頃思っています。

遅さ

私が感じるのは、決断力の遅さと甘さです。

まず遅さについてですが、まぁ決められないですね。漢字をやるのか、計算をやるのか?ジュースを飲むのか、お茶を飲むのか?テレビを見るのか、お風呂に入るのか?すぐ決められず、いつまでもだらだらしてることが、一日に何回あるでしょうね。

これはまず、頭の中が整理できていないのと、優先順位を意識してないから起きると考えられます。今、何をしないといけないのか、するべきことは何なのか、どうするのがベストな選択か?終わったらその次はどうするのか?これをいつも考えていないからです。いつも、一つ先を考える癖がついていないのです。

こんなことを言うと、そんな難しいことできないとか言われるのですが、本当にそうでしょうか?例えばゲームってどうなんですか?子供が大好きなアクションゲームやシューティングゲームっていうのは、まさに先を読んで動かしていくのではないですか。

私は、その手のジャンルのゲームが苦手で、子供とやっても、いつも負けていました。子どもに 「なんでそんなにうまくできるんや?」 「慣れと、予想」 といつも軽くあしらわれていました。

他に、スポーツも正にそうですよね。相手がどう動くかを考えて、次の動きを決めていきますよね。今何をして、次はこれ、その次は、、、いつも、考えているではありませんか。しかも、それを一瞬でやってるんです。

それでは、なぜ普段の生活の中で出来ないのでしょうか。それは必要性を感じていないのと、必要性を教えていないからではないでしょうか。だから、その大切さをちゃんと教えて、練習させれば、できるようになると思いませんか。

大切さは、そのまま伝えればいいでしょう。ゲームやスポーツで、判断が一瞬遅れたらもうアウトやろっていうことを例にして、生活の中でもそんなことが一杯あることを教えていくのが、子供には理解しやすいのではないでしょうか。

練習の一つが、1,2,3と秒読みをすることです。5までいったらこっちが決めてしまうか、何もあげないとか。ルールを決めておいて、それを守らせましょう。後は、親が「決められへんねんや」って突き放すこと。これも結構有効かな。特に空気を読める子にはね。

甘さ

そして、次に決断力の甘さです。考えて決めたはずなのに、やっぱりこっちがいいとか、これがしたいってあれほど言ったのに、5分ももたないとか。その場その場の感情で行動するので、結局前進ができません。考えの甘さから起きてしまうわけです。また、それを親が許すから、いつまでたっても、正しい判断ができなくなります。

考えの甘さが治らないのは、結局考えるってことに対する認識不足からきています。考えるってことと、思い付きでやるのは根本的に違うんだということです。そこがしっかり区別できていないから、おかしなことになってしまうのでしょう。

つまり、考えて答えを出すということは、その出した答えに対して自分で責任を持つことだ、ということです。考えて出した答えなんだから、ちゃんと最後までやってね、ということなのです。

これはもう根競べです。何回も「これでええんやね」と確かめ、後で文句を言っても一切取り合わないこと。「あんたが決めたんでしょ」って。つまり、自分の言葉に責任を持たせるわけですね。これを、やっていかないと、いずれ優柔不断というレッテルを張られることになります。

最後に

そして、もちろん勉強にも当然影響がでてきます。考えが甘いということは、見通しが甘いのと同じなので、問題の最後までたどり着けません。特に顕著に表れるのは、算数の文章題と国語の読解問題です。

苦手なお子さんも多い単元ですが、全て日頃の考える行為の甘さが原因だと思っています。考えることの練習量が、全然足りていないので、1つ2つは何とかいけても5ぐらいになると、もうお手上げみたいなことになってしまいます。

このように、勉強も、もちろん社会に出てからも、常に正しい方向に考える練習と努力をしていかなければ、一番困るのは子供ではないでしょうか?そんな風にさせない為に、子供にいつも考える癖をつけさせてあげてください。

考えるってめちゃくちゃ大事です。とにかく、自分で考えろです。考えろ、考えろです。

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ぷろふぃーる 
 個人塾をやり始めてもう十数年。自らの子育ての経験と、毎日の塾での子供たちや親御さんとのやり取りの中で、考えていることや感じていることを綴っています。あくまで個人の意見ではあります。しかし、頑張っておられるお父さんやお母さんに少しでもお役に立てればと思っております。

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