いいとか悪いとかではない
今と昔ってよくいいます。昔はよかった。昔はこうだった、ああだった。今の方がいい。あんな便利になった。こんな便利なものがある。
昔といっても、人それぞれ思い出す年代は違うでしょう。”いい” とか ”悪い” とかも、当然人それぞれでしょう。どちらがいい悪いの話ではありません。それぞれの時代で、いい所も悪い所もあるということです。
いろんなものが変わりました。きれいなお家が増えました。車、ショッピングモール、舗装された道路、ネット通販、携帯電話、私が子供の頃と比べると、色々な物が増えました。そして、色々な物が変わりました。
一番変わってないのは人間かもしれないですね。外見は変わっている様に見えるけど、実際は化粧や整形、加工、虚構を着飾っているように思えます。その割に内面は、むしろ幼稚というか、ひ弱になっている様に感じます。基礎体力と免疫力が低下している子が多く、すぐ風邪を引く子も多いと耳にします
そして、私がいつも強く感じるのが、我慢する事ができないというか、親が、我慢する事を教えられないということです。過保護とかではないのですが、その前に親が手を差し出してしまうのをよく目にします。少子化、核家族化により、目が届くというか、手が届くというか。
もう一つが飽き性です。まぁすぐ飽きますね。ゲーム、TV、漫画、遊びですらも続きませんね。塾でパズルとかやらすと、5分ぐらいやってできないと終わりみたいな感じです。
遊びも考えた
前から思ってる事があるのですが、昔は遊ぶ前に、ルール決めからスタートしたものでした。
近所で遊ぶと、小さい子から中学生ぐらいまで一緒に遊ぶことが多かったのです。だから、みんなが楽しむ為にはルールを考えないといけなかったのです。
友達と遊ぶ時も、場所や道具が変われば、またルールが変わるのでルール決めからスタートでした。そして、遊びも相手が人なのでいつも考えていないとうまくいきません。
今はゲームなのでスイッチを入れるだけで始まります。そして、パターンの繰り返し。複雑そうに見えても予想外のことは起こりません。つまり、そこには 「考える」 がないのです。実は昔のあれって結構役に立ってたのかなぁと思います。
あと一つ気になることがあります。例えば旅行に行っても、どこに行ったのか分からない子が、ほとんどなんです。車なのでドアトゥドア。途中は寝てる。もちろん、親は行き先も伝えているのでしょうが、子供の記憶からは抜けています。昔は電車、バス、駅に停まる、次のどこそこで降りるよ、そういうのがなくなった。地名を覚えるのもそんな時だった様に思えます。
テクノロジーの発達により便利に楽になりました。それによりできた時間を、果たして有意義に使っているのか甚だ疑問を感じます。土曜日休みもそう。子供の、本当の意味での学びは増えたのでしょうか?体験や経験は、読書や学びは、親や親戚との触れ合いは、増えたのでしょうか?ゲームとTVが増えただけなのではないですか?ただ塾の時間が増えただけじゃないですか。
温故知新
温故知新、という言葉があります。昔のことから学び直し、新しい物を生み出す、という意味です。昔のことを否定するのではなく、その中からヒントを探して、今の時代に合った新しいアイデアを生み出していこう、という感じです。
親や、我々昭和世代の人間は、今の若い人から、もしくは子供から、学ばなければいけません。その逆も、もちろん大事に考えて欲しと思います。その気持ちが大事なのです。お互いに歩み寄り、お互いを理解しようとしないと、平行線のままです。自分の考えだけを主張しても進まないことを、お互いが気をつけないといつまでも答えは出ないでしょうね。
何事も、軽、薄、短、少、が好まれる時代です。そして、手間がかかる事、面倒くさいことが極力避けられ、人付き合いもどんどん希薄になっています。流行してるものも、あっという間に忘れ去られ、また新しものに興味を移していきます。
最後に
今の子育ての環境を見回してみると、果たして昔の子育てがそんなに間違っていたとも思えないんですが、という感想です。昔の親が、まず最初に気を付けたのが、子供のしつけでした。 「他所様に迷惑をかけてはいけません」 これを、事あるごとに言われた記憶があります。
もちろん、今の親もしつけは考えているのでしょうが、その根本が、子供よりも 「私がかっこ悪いからやめて」 という風に感じられるのは、私だけでしょうか。何か他人事なんですよね。屋内とかお店で子供が騒いだり走り回ったりしてても 「危ないから走っちゃだめよぉ」 って、「はぁ?迷惑かけてるんやから、もっとしっかり怒らなあかんやろ!」 外出する度にストレス溜まりまくりです。
もちろん全ての親ではないにしろ、ちゃんと怒れる親の割合が減っていると感じています。子供にとって、社会に出る前にちゃんと怒られる経験が無いと大変なことになってしまいます。こんなこと一つとっても、果たして今がそこまでよくなってるとは、到底思えないのですがねぇ。
そうは言っても、今の時代ももちろんいい所はいっぱいあるわけで、便利な物やサービスが次から次へと生みだされています。使いこなせれば無限の可能性を秘めたものばかりです。
今の子供たちは、産まれた時から、たくさんの物に囲まれてきました。そんな時代に産まれた子供たちだからこそ、その ”もの” に振り回されるのではなく、使いこなす人間になってもらいたいです。
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ぷろふぃーる 個人塾をやり始めてもう十数年。自らの子育ての経験と、毎日の塾での子供たちや親御さんとのやり取りの中で、考えていることや感じていることを綴っています。あくまで個人の意見ではあります。しかし、頑張っておられるお父さんやお母さんに少しでもお役に立てればと思っております。
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